「災害時のストレス」に対して私達はどう対処すればいいのでしょう?
突然の地震や台風、大雨…。災害は私たちの暮らしに大きな影響を与えます。家や仕事を失うこともあれば、大切な人との別れを経験することも。そんなとき、心もまた大きなストレスを受けるものです。
森川は、1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災と、現場に赴き心のケアに従事、また2016年の熊本大地震では被災者として自身が避難所生活を経験。
これらの経験を踏まえて「災害時の心のケア」に関する講習を、専門職や一般の方々にさせて頂いてます。
「災害ストレス反応」は誰にでも起こる“自然な心の反応”です。
ここでは、その影響と対処法を、できるだけシンプルにお伝えします。
① ショック体験(トラウマ)
突然の災害で「怖い」と感じたり、大切な人を失ったりすると、その記憶が何度もよみがえることがあります。
② 生活の変化による不安
「住む場所はどうしよう?」「仕事はどうなる?」先が見えない不安は、想像以上に心の負担になります。
③ 社会的な混乱
停電や断水、医療や支援の不足など、普段通りの生活ができないことで、ストレスが増えてしまいます。
✔ ぼんやりして現実感がない
✔ 小さな音にも驚いてしまう
✔ 気持ちが落ち込み、何もやる気が出ない
✔ 怖い夢を見る、何度も災害のことを思い出してしまう
こんな反応があっても心配しすぎないでください。「それだけ大変な体験をしたんだな」と、自分をいたわることが大切です。
①「これは普通の反応」と知ること
「なんでこんなに不安なんだろう?」と思うかもしれませんが、それは当たり前のこと。
「今はそういう時期なんだな」と受け止めるだけで、少し気持ちが楽になります。
② 身近な人と話す
「何を話せばいいかわからない…」そんなときは、ただ一緒にいるだけでもOK。誰かとつながっているだけで、心は落ち着きます。
③ 無理に頑張らない
「しっかりしなきゃ!」と自分を追い込むのはNG。泣きたいときは泣いて、疲れたら休んで。感情をそのまま受け入れることが大事です。
④ 生活リズムを整える
食事・睡眠が乱れると、ストレスは増大します。避難生活でも、できる範囲でいつもの習慣を続けてみましょう。
⑤ 専門家を頼る
「どうしてもつらい…」と感じたら、医師やカウンセラーに相談するのも一つの方法です。ひとりで抱え込まないでくださいね。
被災者を支える立場の方も、強いストレスを感じることがあります。
「頑張って!」と励ますより、「そばにいるよ」「話したくなったら聞くよ」と寄り添うことが大切。
そして、支援する側も自分の心を守ることを忘れないでください。
💡 まとめ
災害ストレスは、「誰にでも起こる普通の反応」。まずは、自分の気持ちを「否定しないこと」から始めましょう。
そして、少しずつ、自分のペースで元の生活を取り戻していけば大丈夫。
「心のケアの視点」を持つことが、よりよい支え合いにつながります。