感覚体験に気づくことが心身のリラクセーション、ストレス低減、心の解放に有効なのは臨床的に確認されてる事実です。
以下のような五感の感覚体験に焦点をあてた平易な方法で、自然なリラクセーション効果を得ることが可能です。
<五感の感覚体験に気づく>
【導入】
今、どんな気分ですか。楽にして下さい。
これから、五感の、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、皮膚感覚のそれぞれの感覚に、一つ一つ、ゆっくり注意を向けていきます。
行うことは、注意を向けたら自然と自覚できる感覚に気づく、ただそれだけです。
これから、下記のことを、急がず、ていねいに試みてみましょう。
時間は、ていねいにやって、5分~10分程度です。
【視覚】
今、あなたの目に何が見えているか、気づいて下さい。
現在の視野の中には、何がありますか?目に映るものを確認しましょう。
そして、それが「どう見えているか」を感じましょう。
対象の「名称」ではなく、形態や色合い、模様や陰影、印象や雰囲気に注意を払いましょう。(約1分程)
【聴覚】
今、あなたの耳に何が聞こえているか、気づいて下さい。
耳を澄まして、聞こえる音に注意を向けると、意外と、改めて気づく音があります。
しばらく目を閉じて、近くの音や遠くの音を聞き分けてみましょう。(約1分程)
【嗅覚】
今、鼻がキャッチしている「匂い」や「香り」に気づいてみましょう。
手近にある物品や、着ている服を鼻に近づけても良いでしょう。
鼻を手の平で覆い、自分の手の匂いを嗅いでみても良いです。
しばらく、ゆっくり呼吸しながら、嗅覚に感じる感覚に注意を向けます。(約1分程)
【味覚】
今、口の中に感じる「味覚」に注意を向けましょう。
口の中に何も無くても、苦味や甘み、渇きや潤いなど、感じるかもしれません。
手元の水や、お茶やコーヒーなど、口に少量含んで、微妙な味わいに注目します。
舌の先やのどの奥など、口中の部位によって、感覚に違いが有るかもしれません。(約1分程)
【皮膚感覚・内臓感覚】
全身に注意を巡らし、肌に感じる感触や圧迫感、冷えや温感、筋肉の張りや痛み、体の違和感などを確認しましょう。
特別な感覚を探す訳ではなく、注意を向けると自然と感じられる体の感覚を、そのまま自覚するだけのことです。
では、頭から始めて足先へと、順次心でスキャンするように、ゆっくり注意を巡らしていきましょう。
注意を向ける身体部位を、「頭」「後頭部」「額」「口元」「首」「肩」「腕」「胸元」「お腹」「腰」「太もも」「ふくらはぎ」「足先」等々、細かく指定する(言語化する)と集中しやすく、「こわばり」「緊張」「違和感」「不快感」など、種々の気づきが得られやすくなります。(1分~3分程)
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さて、以上の方法は、準備が不要で、特定の姿勢や構えを作る必要もなく、いつでも、どこでも、何をしながらでも、気軽に、簡単に行えるのが最大の特徴です。
何も、几帳面に、常に五感の全てを行う必要もありません。
部分的であっても、それまで自覚してなかった感覚を「あ~こんな感じがあった」などと、感覚体験への自覚的な気づき(発見)が得られるなら、自ずとリラックス感や、平穏な落ち着きが生じてきます。
なお、一点注意すべきは、既に「気になっている」辛い痛みや違和感のみに集中、また囚われず、「不快な感覚」「快適な感覚」と区別せず(「良い」「悪い」とラベリングせず)に、全身すべての身体感覚に対して、まんべんなく平等に意識を向け続ける、そのような心持ちが大事となります。
以上の方法は、「瞑想」や「マインドフルネス」という概念で「能力開発」や「精神療法」に活用されている「内的注意集中法」のエッセンスです。普段の日常生活の中でご活用下さい。
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