思春期になれば、無口で無愛想になったり、反抗的な態度をとったり、自分勝手な言動が目に付いたり等々、学童期(小学時代)と違ってきた子どもに戸惑います。親としては、不安や心配を抱いたり、イライラ短気が出たり、心穏やかならぬ状況が増えてきます。
しかし、大人達は、ここで目前の子どもの言動、一挙手一投足に振り回されないように、心を落ち着けて、一息「間」を作る必要があります。決して短絡的に対応せずに、子どもの心の状況を「読む」ようにします。
思春期のテーマは、「自立」と「依存」です。「大人になりたい」と背伸びする反面、「甘えたい」依存心からも脱却できないという、矛盾した心の葛藤があります。気に障る子どもの言動は、成長するための「あがき」と見なすことができます。
この時、親の役目は、子どもと同じ地平で対等にコミュニケーションすることではありません。単に、楽しく心地良い会話ができるだけでは不十分です。「親」の字義は、立ち木の上に立って、高い所から子どもを見守ることです。「育てる」という構えを持って子どもに接することが大切です。それが「親の愛情」です。
そして「心」を育てるには、「父性(厳しさ)」と「母性(優しさ)」の両面が必要です。時には、「無理に強いてやらせる」くらいの厳しい姿勢で何かに取り組ませることも、子ども達には有益な体験となるものです。