クライエントが困っていることには、
自分の心身の状態、人間関係の問題、仕事や生き方のこと、
そうしたことにまつわる苦悩や辛さ、怒りや不満、迷いや困惑、等々がある。
いわゆる「主訴」であるが、
では、その訴えをもって、何を要求・希望しているのか、ニーズは何か、が問題となる。
クライエントが求めているのは、
果たして、訴えている問題の改善・解決なのか、それとも・・・
また、その改善や解決とは自分の内面的な変化なのか、外的現実の変化なのか、
あるいは、今後の改善や解決をうんぬんする以前に、
とにかく、ただひたすら傾聴・受容・受け止めてほしい、ということなのか、
当人の自覚~無自覚レベルも勘案しながら、
優先テーマは何かを見極めることが
面接の導入段階にて不可欠である。
なので、心理的ケアにおいては、
特別何もせず、ただ傾聴することも大事なプロセス。
クライエントの多くは、
実は、「どうなりたい」という解決の方向性が見えていない。
むしろ、苦悩や辛さに埋没して、
過去を悔やみ現在に不満をいだき、なんとかしてくれ、という非主体的状態にある
先ずは、自己の現状を分析、吟味、整理して、方向性を検討するのが、第一段階
セラピスト側から言えば、アセスメントであり、見立てである。
その上で、対策というか対処のノウハウ、治療技法の選択と適用の段階となる。
だから、心理的ケアの場合、導入の訴えを聴く段階にしっかり時間を掛ける必要がある。